日本同盟基督協会年会規約

日本同盟基督協会年会規約

           附 日本同盟基督協会年会規約細則

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   日本同盟基督協会略史

 

支那内国伝道の功労者ハドソン、テーラー博士の熱心なる勧めに応じて、一千八百

九十一年の早春、エフ、フランソン博士は百人の宣教師を起す運動を企て、此処に初

めてスカンヂナビア伝道協会は創立せられました。フランソソ博士の運動によりて

最初に起りし宣教師の一隊は一千八百九十一年の春支那に遣はされ、同年の秋には

男女十五名が日本に遣されました。之等の宣教師は数ケ月間語学を修めて直ちに日

本各地を廻り、未伝の地に留まりて聖書的純福音を宣伝いたしました。斯くて教会の

基礎たる信者が起れば彼等に其の地の布教を任せて他に移つて居りましたが、事情

止むを得ざる所に専任の牧師を置き教会を設立せるものが現在の日本同盟基督協会

であります、斯の如くスカンヂナビア伝道協会は宗派を超越したる運動なる為に多

くの教会有力者より、冒険的運動なりと評せられましたが、全能なる神は御約束の

如く其の必要を豊かに備へ当協会を支へて今日に到らしめ給ひました。

日本同盟基督教会は大正十一年十月内外人教役者及各個教会代員によりて年会を組

織するに至りました。

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日本同盟基督協会年会規約

 

第一条 名  称              

 本団体の名称を日本同盟基督協会と称す

第二条 年会組織

 第一項 毎年伝道区域内に会議を開き之を年会と称す、其の組織は年会所属の伝

  道区より出席する牧師、宣教師、伝道師並に其各伝道区より選出する一名以上

  の信徒総代を以てす

 第二項 年会は毎年其の職員を選拳し、其の凡ての議員の職務上の資格を調査し

  正当の推薦に由りて年会々議場に出席するものにして、伝道師として採用する

  に足るべき者を決議に由りて受け、伝道師にして牧師たる職務に適し其の任に

  堪ゆる者を選びて試験の上按手礼を授け、諸般の控訴を聴断し、その任地を指

  定し教役者を配置するものとす

 第三項 年会は各年度年会に於て理事五名を選ぶ、但し年会議長及年会書記は理

  事たる事及び他の三名は年会正員教役者中より選挙するものとす、年会々計は

  必要ある場合は理事会に出席するものとす

  年会にて選ばれし理事を以て理事会を組織し年会より次年会期迄に於ける諸

  般の事務を処理し、必要ある場合は各箇教会と協力し日本同盟基督協会全体

  の利益を計るものとす、但し理事会は三名以上の理事の出席ある時之を開く

  事を得

 第四項 年会は其議事録を保管し其の都度其の正本の、印刷又は謄写したるもの

  一部を各伝道区に配附す                      

 第五項 日本同盟基督協会伝道区に執務する牧師、宣教師及伝道師及び各箇教会

  より推薦せられたる信徒代員は年会々員とし会員を左の三種に分つ

  (一)正会員は按手礼を領したる者にて本協会に執務する教役者及教会代員と

    す                             

  (ニ)按手礼を領せざるものにして本協会に執務する教役者を準会員とす

  (三)他ミツションに属する教役者及教会代員にして本規約を遵守するものを

    準会員とす   

    但し其の教会が財政上独立に達したる時に之を正会員とす

 第六項 年会職員は年会議長、年会書記各一名、年会会計二名とし毎年会の事務

  を処理するものとす

  但し年会職員は左の規定に基き毎年会席上に於て正会員たる教役者及信徒代

  員中より選挙するものとす、年会議長、年会書記を正会員教役者中より、年会

  会計一名を教会代員中より、他の一名を正会員教役者中より選出す

 第七項 年会職員は毎年之を選挙し、出席年会議員の投票の最高点を得たる者を

   当選とす、但し再選を妨げず。職員は年会職務上の業績に関し責任を負ふも

  のとす

 第八項 年会議長の職務は年会の凡ての集会を総理し、必要ある場合に於て其の

  管轄内を巡回して其の伝道区を視察し、その一切の事務を管理するものとす、

  年会書記は、年会議長が職務を遂行し得ざる場合一切の事務を代理するものと

  す

 第九項 年会は毎年一回とし、次回の時日及び場所は年会に於て議定するものと

  す

 第十項 他ミッションに属する教会に対して当年会は財政上の着任を一切負はざ

  るものとす

 第十一項 年会は左の区域に評議員を置く

  東京一名、千葉一名、伊豆地方一名、飛騨地方一名

  但し評議員は理事と協力し本協会の発展をほかるものとす

第三条 教会組織

 第一項 本協会内に教会を置く

 第二項 会員十名以上を有し、毎聖日に於て礼拝を行ひ、標札をかヽげ又時に聖

  餐を守る団体は教会を組織する事を得、然して教会組織は各箇教会に於て自由

  なりと雖も先づ理事会の指導を受くべきものとす、但し定数に達せざるも主任

  伝道師のあるものは之を伝道教会と称す

 第三項 教会の会員は之を正準両会員に別つ

 (一)正会員は信仰告白をなし浸礼を受け会員名簿に登録したるものとす

 (二)準会員は信仰告白をなしたるものとす

 第四項 組織せられたる教会は毎年会に信徒代員を出席せしむるものとす

  但し代員は現住正会員三十名未満は一名三十名以上二名とす、教役者は教会の

  委任状を以て信徒代員を代理する事を得、但し教役者は教会の推薦状を携帯し

  て年会に出席する事

 第五項 教会は事務会を置く、事務会は教会員及教役者より成立し牧師之が議長

  となり教会諸般の事務を協議するものとす

  但し年会期前に必ず総会を開き代員を選挙する事

 第六項 当協会は修養生を養ふ事を得、其の採否は年会に於て議決す、但し修養

  せらるヽ者はその期間、修養地最寄の日本同盟基督教会所属教会の会員となり

  その牧師の監督を受くるものとす

 第七項 教会は勧士をおくことを江,勧士足るものは本教会の信仰箇条及びとしか行き

  約を遵守し、品行方正の善き令聞あるものにて、無俸給を以て牧師を補佐し基

  督の福音を以て人々に勧め導くべし

 第八項 教会は福音士を置く事を得、福音士は本協会年会に於て認定を受けたる

  無俸給の伝道師にして、無牧師の教会にありては、伝道上の一切の責仕を負ふ

  ものとし年会員の資格を附与す

第四條 信仰箇条

 第一項 信仰箇条は日本同盟基督教会年会に於て議定したる者とす

 第二項 聖書は皆紳より黙示されたる神の言にして、又救の道の十分に示された

  る事

  聖書は汝等をしてキリストイエスを信ずるに因りて救を得しめんために智慧を

  与ふる者なり、聖書は皆神の黙示にして教誨と督責また人をして道に帰せしめ

  又義を学ばしむるに益あり、是神の人の完全を得て凡ての善事を行ふに欠けな

  からんためなり(提后三章十五節下自至十七節)

  聖書の凡ての預言は預言者己れの意を以て示せるに非ざる事也、そは預言は素

  より人の意に由りて出でしに非ず神に属する聖き人聖霊に感じて語りし者なれ

  ば也〔彼後一章二十節下半二十一節〕

  聖書には救の要道一切教示せられたるか故に、之れに記載せざるもの或は其の

  意義に相合はざるものは信仰の箇条として人の信ずべきものに非ず、又人の救

  を得るに要用なりと思ふべからず聖書は旧新約六十六巻の経典にして教会中決

  して其の権威を疑ふものなし

 第三項 神は唯一にして活ける真のものなり見るべき体なく権力、智慧、仁徳、

  皆無限にして有形無形の別なく万物の創造者また保護者なり、其の神たる一体

  にして三位あり、即ち父と子と聖霊にして其の実体権力永生皆偕に異る事なし

 第四項 神の子は父の道又父と一体なる永遠の真神にして、処女マリアに由りて

  降誕し給ひ、人性を受く、故に一身に純全たる両性を有す、即ち神性と人性と

  にして決して別るヽ事なし、是を以て一体のキリストなれども、真神真人にし

  て其の苦難を受け十字架に釘けられ、死して葬られ給ふ是我我儕をして父と和が

  しめ啻に人の原罪のみならずまた犯せる罪の為めに犠牲とならんがためなり

 第五項 基督実に死より甦り形体及総て人性に属する純全の性質を帯びて昇天し

  父の寶座に在りて保恵師たり               

 第六項 基督耶蘇は千年期前に再臨し死せる聖徒を甦らせ、活きて残れる聖徒を

  栄化せしめ、空中に携挙し給ふて後世界を治めんとて聖徒と偕に地上に降臨し

  千年間世を冶め給ふなり

 第七項 聖霊は父と子より出でゝ其の実体威厳栄光、皆父と子と同くして永生の

  真神なり

 第八項 人の原罪とはアダムの子孫に生れつきたる性質の腐敗と云ふ、故に挙世

  人遠く元始の正義を離れ、自己の性質に循ひ自然悪に傾きて廃止することなき

  なり

 第九項 アダムの犯罪後は世人已が固有のカと行によりて悪を離れ、心を改めて

  神を信じ、之れに呼び求むる事あたはざるの状態となれり故に我儕に善き意志

  を有たしめんとて我儕を導き我儕既に善き意志を持てる時に我儕と偕に働き給

  ふ基督によりて神の恩恵を享くるにあらずば、神に嘉納せらるべき善事を行ふ

  カなき者なり

 第十項 人は己の功徳により神の前に義とせらるヽ事あたはず只我主イエス、キ

  リストを信じて其の贖の功徳によるのみ、故に人の義とせらるヽは只其の信仰

  に由るのみ是れ最も善良なる教理にして又甚だ人心を安康しむるものなり

 第十一項 人イエスキリストを信ずるに由り聖霊の佑助を以て其の堕落したる性

  質の革新まり罪告を免さるヽのみならずその汚穢を洗ひ潔められ其の能力より

  救出される、是基督の贖罪の血は凡ての罪を潔むるに足ればなり

 第十二項 聖霊の内住に由りて聖とせられ、心を尽して神を愛し神の誡を欠けな

  く履行ふ事を得るなり                 

 第十三項 神なる基督は聖旨により肉体的病患をも癒し給ふ事

 第十四項 教会堂は神に献じ聖別したるものにして信者は集合をなし、又其の中

  に於て神の純正なる道を講説し基督の制定し給へる聖典を適当に施行するとこ

  るなり                  

 第十五項 集会にありて或は祈祷し或は聖典を施行するにあたり、人々の解ぜざ

  る言を用ゆるは古代教会の習慣に違背し神の道に反くものなり

 策十六項 基督の制定し給へる聖典は啻に基督教を奉ずる紀念なるのみならず神

  の恩恵を亨くる紀念にして又神の仁愛を垂れ給ふ事を我儕に顕すものなり而し

  て神ほ此の聖典を以て我儕の心中に働き我儕の信仰を活かし給ふのみならず亦

  能く之を堅固め給ふなり我が主キリストは福音書に於て唯二箇の聖典を設け給

  へり即ちバプテスマと主の晩餐是れなり

 第十七項 バプテスマは基督信徒とバプテスマを受けざるものを弁別するの表式

  のみならず、霊魂の再生即ち新生の表式なり教会に於てはバプテスマは浸礼を

  施行するものなり

 第十八項 主の晩餐は啻に基督教の信者が互に相愛する事の表式のみならず、此

  の聖典は基督其の生命を棄て我儕に代り贖罪をなし給へる事を表明するものな

  り、故に正しく謹みて信仰をもて此の聖典を受くるものは即ち其のパンを食し

  て基督の体と交り其の葡萄汁を飲みて基督の血と交るなり晩餐のパンと葡萄汁

  とは変じてイエスの身体と血と化すると云へる是聖書の言にあらずして却つて

  其の教に背き主の晩餐の趣意をやぶり、且つ是れが為め多くの迷信を惹起すな

  り、晩餐を行ふ時基督の身体は心霊上の方法にて与へられ又取りて食せらるヽ

  のみ之れを受けて食する方法は之を食する人の信仰にあるものなり

 第十九項 信者の主の杯を飲む事を制止すべからず何となればパンと葡萄汁とを

  凡ての信者に授けて皆同じからしむるは基督の命じ給へる所なればなり

  但し基督を信仰しバプテスマを受けし者は晩餐に与る事を得ベし

 第二十項 信じて救はれし後死せし者第一の復活を受け、信ぜざる者は第二の後

  生あるべし

 第廿一現 世の終りに於て神はイ工スキリストに託りて第二の復生せし人を審判

  き給ふ

 第廿二項 聖書に婚姻は人間の最も貴むべき大典なる事を訓へあり、故に結婚は

  軽々しくなすべきものに非ず宜しく神を畏れ慎みて之を行うべし

 第廿三項 基督教の教役者及信徒はいづれの国に居住するも其国の政府に服従し

  其の法律を遵奉し旦つ其国の平和を計り秩序を保つ事を務むべし

 第廿四項 基督信徒の財産は即ち個人所有にして其の所有権に他人の関し干与る

  ところに非らず唯信徒各箇の分限に随ひ其所有の中より喜びて神に献げ又貧窮

  人に施与する事を心掛くベし

 第廿五項 我が主イエスキリスト其の使徒ヤコブと倶に信徒を戎めて軽卒虚妄の

  誓をなすことを禁じたり、然れども官吏に宣誓を求めらるヽ時若し信仰仁愛の

  意に合ふ時は之をなすとも基督教の禁ずるところに非ず且つ此事は預言者の教

  訓に遵ひ公義正道誠実を以て行ふを肝要とす

 第廿六項 右の信仰箇条は日本同盟基督協会教義を明示するものにして凡そ其の

  教職に就くものは乃ち斯く制定せる教義に服従する事を誓ふものなり、然れば

  其の人の教会に対する忠実は己れ之に違犯せざるものとす

第五条 此規定の変更は年会出席員三分の二以上の協賛によりてなし得るものとす

 附記 規定に対し細則を設く

 

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日本同同盟基督協会年会規約細則

 

第一条 年会組織に関する細則

 第一項 年会は前年の議長議場を整頓し礼拝を以て開会し後任者を選挙するに至

  るまでは議会に於ける責任を負ふものとす、議長出席せざる時は書記之に代理

  して其式を行ひ、議長書記偕に欠席する時は仮に議長及書記を選挙して其の職

  に当らしめ年会正議長及書記を選挙するに至りて其の理事の職を退くものとす

 第二項 年会議長の職務は年会の諸ての集会を総理し其の要求あれば管轄内を巡

  廻して凡ての伝道区を視察し年会開期中二人以上の補助を以て聖職に選ばるべ

  き者に按手礼を授け正当の推薦状を有する宣教師、伝道師を採用し、其の心要

  ある時は教役者の任地を変換し(但し予め該教役者及其の任地の教会の同意を

  得べし)其他年会の必要と認むる事務を理弁する事

 第三項 凡て伝道師は三ヶ年以内証状を受けて伝道したる者に非らざれば按手礼

  を受くるを得ず、但し右三ケ年中一ケ年は本協会に属して伝道したる者なるを

  要す

  按手礼志願者は先づ年会の任定する按手礼試験委員の試験を受けざれば其の礼

  を受くべからす、志願者の年会に出席し難き理由ありて年会の正当と認むる時

  は特に試験委員を任定すべし該委員の推薦に由り年会は規約に従ひ年会の期間

  に於て其の人に按手礼を行ふべし年会議長は其の委員長たるべし

  按手礼は年会議長、二人以上の理事の補助を以て執行すべきものとす

 第四項 牧師の年会に保証状を請求するものある時に当り其牧師既に契約を履行

  し且つ其の品行方正なる時は拒むべからず

 第五項 年会或は其の議長は牧師若くは伝道師として採用を請ふものあるも之を

  任用すべき適当の位置あるに非ざれば之を採用するを要せず

 第六項 議長は甲乙年会間に牧師を任用する時は理事会の決議を経たる後に定任

  牧師として議事録にその姓名を記入すべし

 第七項 他宗派の牧師にして来りて採用を請ふ者は先づ品行方正の保証状を年会

  に提出すべし年会は其保証状信仰経歴及資格を調査し果して異議なき時は之を

  採用する事を得

  年会所属の牧師は休職する事を得且つ三年以内に復職を請求する時は再び採用

  せらるゝ事あるべし

 第八項 年会議長は職務上管轄内を巡視する時には講壇にのぼるべき特権を有す

  るものとす

 第九項 議長は其の管轄内の牧師各箇規律正しく其職に就きて誠実に行ふや否を

  監督すべきものとす                        

 第十項 議長其の管轄内の伝道区にして乙の区より甲の区に牧師又は伝道師を転

  任せしむる時は之に辞令を授くべきものとす之を新任地に就くべき証書となす

  議長は年会閉ぢたる後牧師及伝道師を任用する時は亦之に其辞令書を授くベし

  辞令書を有せざる牧師伝道師は正当に任用せられたるものと認めざるベし、又

  議長は其の管轄内に按手礼を受けざる者を配置せる教会に規律正しく聖典即ち

  バプテスマ晩餐式婚礼等を執行ふ準備を為すべきものとす

 第十一項 年会の開会中に理事の欠席する時議長は協会全体の利益に関し必要あ

  りと認むる時、其の動議を為さしむべき事件に対し、年会の注意を喚起すべき

  ものとす

 第十二項 年会議長は、教会の事務会より推薦せる勧士を任令しまた教職志願者

  を修養生として受入るヽものとす、但し修義生を受入れんとする時は理事によ

  りて成立さるヽ試験委員によりて果して教職として適当なりや否を調査せしめ

  たる上之を認許すべし

 第十三項 議長は年々諸担任牧師及伝道師より左の統計表を作製して報告せしむ

  べし

 (一)定住牧師及伝道師又休職牧師の数

 (二)会員の数

 (三)準会員の数

 (四)該年度間の入会者数

 (五)永眠者の数

 (六)退会者の数

 (七)転会者の数

 (八)被除名者の数

 (九)該年度間会員の増減

 (十)会堂牧師館の数

 (十一)日曜学校の教師数

 (十二)日曜学校生徒数

 (十三)集会及人員数

 (十四)日曜学校数

 (十五)心を改めて神に帰する者の数

  休職牧師伝道師の姓名は年会議事録に登載して出版すべし、年会議事録は一小

  冊子に編集して出版すべきものとす、年会職員は毎年の記録の正本一冊津を保管

  すべきものとす

 第十四項 凡て年会所属の牧師宣教師伝道師は職務上年会に出席すべきものとす

  但し事故によりて出席する能はざる時は其の理由を詳記して年会に報告し、且

  つ其の伝道上の統計表を製して年会に送達すべきものとす、牧師にして右の義

  務を怠るものあるときは年会の譴責に附すべし、然るに尚ほ固執して継続二ケ

  年其の義務を怠る時は該年会の投票を以て年会員たるの資格を失ふことあるベ

  し

 第十五項 年会議長及理事会にして次期年会開催の時日及地位を変更する必要あ

  りと認むる時は少なくも其の開会の二ヶ月前に広告して変更を行ふベし

 第十六項 年会は信徒総代の当選状及資格を調査すべきものとす、年会々員の過

  半数出席せざれば開会する事を得ず

 第十七項 牧師宣教師及伝道師の職務

 (一)年曾によりて伝道区の担任に派遣され按手礼を受けたる教役者を牧師と

   称し其職務上の行動に関し年会に其の責任を負ふものとす

 (二)年会により牧師の職務を行ふを助くるために派遣さるヽ伝道師を副牧師

   と称し同じく年会に責任を負ふものとす

 (三)宜教師はミッション本部との連格を保ち年会に責任を負ふものとす

 (四)凡て伝道区に属する宣教師及伝道師は自已の職務を執り兼て及ぶだけ牧

   師の補助をなすべし      

 (五)何人と雖も其名を年会名簿に登録せられず或は年会の聖職に属せざるも

   のほ本教会役者と認めざるべし

第二条 教会組織に関する細則

 第一項 教会は聖書に叶ふ実験的基督教の大法を施行するに必要なるか又益ある

  ものを制定して之れを実行するの権あり、又教会は其の善良なる政治を行うに

  必要なる権能を悉く其の職員に委任すべし         

 第二項 教会の準会員たらんと欲する者は神の諸々の誡を欠けなく履行はんとす

  る決心を以て罪を悔改め主耶蘇基督を救主と信じ救はれたるものなりとす、又

  人ありて已が信仰を告白し又他の基督教会より品行方正なりとの保証状を呈し

  て入会を乞ふ時教会は其の基督信徒たる経歴を試み之に満足せば会員として入

  会を容すべし

第三条 教会政治に関する細則

 第一項 教会に於ては毎年会期間中に於て随意事務会を開くべし、其の組織は牧

  師、宜教師、伝道師、役員、日曜学校長を以てす、但し臨時必要ある場合は牧

  師或は事務会員五名以上にて臨時事務会を召集する事を得

 第二項 事務会は牧師之を召集して会長となるものとす、但し牧師の出席なし得

  ざる時は事務会臨時に会長を選ぶべし、事務会は聖書朗読及祈祷を以て開会し

  正当に召集したる事務会に於て出席職員の多少に不拘正式の議決をなすを得

 第三項 事務会は教会の一切の事務を管理し悖徳の行為ある基督信徒を訓戒し悔

  改めざるものに封して審問を行ふ権あり、但し事務会は之れを理事会に提出し

  て処分を仰ぐものとす、又教職を志望するものの信仰と品行とを調査し適当と

  認めたるものを年会に推薦するものとす、志望者は事務会に対して左の問題に

  答ふべし然して満足と認めたる時は推薦状を渡すべし

  一、汝は基督を信じ心に於て又諸ての言行に於て清潔くあらん事を勉むるや

  二、汝は罪人を悔改めに導き自已の霊魂と汝より聴く者の霊魂を救極に導き

   て神の教会の徳を建つる機器たらんとするの願望の外他意なきか

  三、旧新約全書は皆神より黙示されたる神の言葉にして又救ひを得るの要道

   を悉く含めりと信ずるや

  四、汝は償還の方法立たざる負債なきか         

  五、汝は日本同盟基督協会年会規約に全く服従するや 

 第四項 事務会は其の年会最前季の会を総会となし三名以上の役員を選び同時に

  年会の代表者をも選ぶべし、凡て出席せる正会員の十八才以上の者は役員選挙

  に於て投票権を有するものとす、但し選挙せられたる役員は諸般の事務を処理

  するものとす

 第五項 事務会は次回開会すべき地を議決し牧師は適宜に其時を定むべきものと

  す、事務会開会の地と時とは開会より二週間前に之れを講壇より広告すべし、

  但し定住牧師なき時は役員之に代りて事務会を召集するを得

 第六項 事務会は勧士たらんとする者ある時其の信仰及品性を調査し年会へ推薦

  するものとす、但し勧士は牧師の監督の下にあるものとす

 第七項 事務会は左の順序により事務を処理するを可とす、事務会組織せらるれ

  ば書記は先づ会員の名薄を点呼して其の出欠を調べ前会の記録を朗読し而して

  後会長は左の問題を提出すべし

 (一)何人も当事務会々員に異議なきか

 (二)何か訴ふる事ありや

 (三)教職志願者にして年会に其の推薦を請ふものありや

 (四)牧師及伝道師又宣教師にして此の事務会に属せんと欲するものありや

 (五)説教の時刻及場所の変更を要するものありや

 (六)教会の会員名簿の訂正加除を要する者ありや

 (七)役員に何人なりや

 (八)次回の事務会は何地に開くべきか

 (九)牧師の俸給は如何

 (十)臨時の事務ありや

 (十ー)役員の報告ありや

 (十二)役員が牧師を賛助し若しくは其の便宜を計る為めに牧師に告ぐべき事

   ありや

 (十三)牧師は已れの補けとなり又便益となるべき事を事務会に提出すべきや

 第八項 晩餐式浸礼式及婚礼式は按手礼を領したる牧師又は宣教師のみ執行する

  の権あるものとす

 第九項 牧師は自己の管轄内の伝道区に属する凡ての会員の精細なる名簿を製し

  また必要と認めたる事項の記録を製すべし         

 集十項 牧師は前項規定の事項につき能ふ限り三ヶ月毎に書翰を以て議長に報告

  し公共の利益に関する条件のみ協会の機関雑誌に報告し自己の任期の終末に於

  て管理上の方針を後任者に引継ぐべし

 第十一項 他の伝道区に移転せんと欲するものに証状を交附し、右証状を交附し

  たる時はなるべく速かに其人の転入せんとせし又は転入したる地の担任牧師に

  之を報告すべし 

  牧師は品行方正なる会員の証状を請求する者ある時は之を拒むべからず、日本

  同盟基督協会より他へ転会せんとして保証状を請求する時は亦之を拒むべから

  ず

 第十二項 牧師たる者の職務は神の道を宣伝し聖典を行ひ、教師牧師の総ての職

  掌を尽し教会の万端の事務を監督し会員を教養すべきものとす

 第十三項 左に記載する心得は日本同盟基督教会員たる者の服膺すべきものとす

 (一)各信徒は人の霊魂を愛し之を神に導くべき伝道の助けをなすこと

 (二)禁酒を実行し柔和を以て隣人を愛する事

 (三)神の聖名を妄りに口にあげざる事

 (四)主の日に於て礼拝を守り此の日を聖くすごす事

 (五)無益に談笑し又主イエスの道に適はざる娯楽に耽らざる事

 (六)骨牌戯、舞踏博奕、演戯及悪しき興業物を見又聞く事喫煙をせざる事

 (七)返済の日的なくして金銭を借り払ひ出す目的なくして物品を買はざる事

 (八)機会あれば凡ての人に善を及ぼすべき事

 (九)人の霊魂を燐み己れと交誼ある者を教へ之を戒め之を勧め之を励ますこ

   と又己が心と欲せざる善は行ふに及ばずと云へる僻説を排ける事

 (十)成るべく勤勉節倹を行ひて福音の道を辱めざる事

 (十一)忍耐を以て吾人の前に在る職場を走り已れに克ちて日々十字架を負い

   基督のために嘲罵を甘受し世の己れを汚穢又は塵垢の如く扱ふるに堪へ人

   々が主のために詐りて各種の悪言を言ふを覚悟する事

 (十二)神の制定し給へる諸ての礼式を守るべき事

 (十三)凡て定期の集会に出席し尚家族及個人の祈祷を務め聖書を研究し且つ

   之を黙想する事

 (十四)伝道の為めに金銭を献ぐる事

 (十五)教会に於て定めたる凡ての事に服ふ事

第四条 審問に関する細則

 第一項 教会員にして聖書に禁ずる処の罪を犯したる時は聖言に基き之れを教会

  より除名すべきものとす

 第三項 聖書に明かに示せる義務を怠り又不良の気質及言行ある時は其の違犯者

  を戒筋に附すべし然るに再三戒筋するも尚之れを悔改めざる時は之を除名すべ

  きものとす、但右二項に関し教会に於て解決し得ざる場合は理事会に提出し其

  処分を仰ぐものとす                      

 第四項 基督教組織の主眼の要点、或は本協会の信仰箇条に違背する教理を公私

  の別なく伝ふる者ある時は其宣教師牧師伝道師たると会員たるとを問はず之を

 戒筋に附すべし戒筋して尚改めざる時は放逐すべきものとす   

第五条 証状類書式

   第一 伝道師証状

     原 籍

     現住所              姓      名    

   当年会に於て本人の学識経歴信仰志望に関し正当の試験を行ひ其適任なるを

   認めて氏を伝道師に任ず依て自今基督の福音を宣伝すべし 

    年   月   日      日本同盟基督協会

                   第  年会

                     議長  姓       名 印

                     書記  姓       名 印

   第二 牧師証状 (公衆に示すこと)

                         姓       名

   右者牧師及信徒総代の年会により選ばれ按手礼を受けて日本同盟基督協会

   の牧師職に就けり是れに於て氏は其畢生且つ其教義に聖書に適合する間は

   晩餐式バプテスマ並びに葬婚の礼典を執行し神の群羊を養ひ之れを監守す

   べく託せられたる者に主となるべからず群羊の模範となるべき権を委任せ

   らるヽものなり

   右第  年会の議決に由りて左に署名して之を証す

    年   月   日      日本同盟基督教会

                   第  年会

                     議長  姓       名 印

                     書記  姓       名 印 

                ミッション代表  姓       名 印 

   第三 勧士証状 

                         姓       名

   右者日本同盟基督協会   教会勧士に任ず

    年   月   日

     日本同盟基督協会第  回年会

                     議長  姓       名 印

                     書記  姓       名 印

   第三 教会員証状

       推 薦 状 「甲」

    年 月 日領浸入会又は   他より転入会

 

                     姓       名

   右は当会所属のキリストに在る善良なる会員に有之侯今般   に転居可

   致旨被申出候に付然るべく御教養下され度此段推薦状御送附申上候也

      月   日       教会

                    牧 師  姓       名 印

     転会送籍状 「乙」

    年 月 日領浸入会又は  他より転人会

                         姓       名

   右は当教会所属の善良なる会員に有之候処今般貴教会に転会致度旨申出候

   に就ては将来主にある貴教会の兄姉の御眷顧御交誼を希ふ処に候依て右本

   人転会送籍状如此に御座候也

    年   月   日     日本同盟基督協会

                   牧 師  姓       名 印

       教会牧師

     姓      名 殿

   第四 当 選 状

                        姓       名

   右  年  月  日(地名)に開会相成り候日本同盟基督協会年会に列席

   すべき本教会信徒総代として正式の総会に於て当選相成候依つて信徒総代

   当選状此如に御座候

                  日本同盟基督協会  教会総会

                    議長  姓       名 印

                    書記  姓       名 印

   第五 日本同盟基督教会入会証

                        姓       名

   右日本同盟基督協会  教会に入会を許し並に其の正会員たる事を証す

                  日本同盟基督協会   教会

    年   月   日      牧 師  姓       名

 

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昭和十一年六月二十日印刷納本

昭和十一年六月二十五日発 行

      東京市中野区本町通ニノ三四

   編集兼印刷人 松  田  故  一

      千葉市通町一二七二

   発 行 人  杉  本  光  平

日本同盟キリスト教団 東中野駅( JR中央・総武線/都営地下鉄大江戸線)から徒歩4分  1907年から中野区で宣教しているプロテスタント・キリスト教会